無縁ではいられない防犯用品

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1. 法律事務所で使用する防犯用品

老舗の法律事務所で働いている友人が、事務所に防弾チョッキがあると言っていました。防弾チョッキがある事務所は少数だと思いますが、催涙スプレー程度であれば常備している事務所が多いはずです。

弁護士は、人の代わりにけんかをする仕事ですし、普通ではない人と接する機会もあるので、常に防犯意識を持っておきたいものです。以下では、法律事務所で使える防犯用品をご紹介します。

(1) 催涙スプレー

催涙スプレーの良いところは、相手方と接触せず、離れた場所から攻撃できる点です。また、相手方に致命傷を与えることがないので、躊躇なく使用できます。

安い催涙スプレーは噴出時間が1、2秒しかありませんが、動揺している際に一撃必殺で決着を付けることは困難ですので、大容量のものをお勧めします。

私は、机の引き出しにTMM社の催涙スプレーを入れていますが、ごくまれに、打ち合わせ時にポケットの中に忍ばせることがあります。いざという時に身を守るものがあると、気持ちの余裕が生まれます。

(2) 防犯ブザー

多くの場合、打ち合わせは密室で行います。防犯ブザーがあると、身の危険を感じた際に、相手をひるませ、周囲に助けを求めることができます。最近は大音量のものが安く販売されています。

(3) 特殊警棒

特殊警棒は伸縮式の警棒で、護身用具の一種です。警察官や警備員が腰に吊り下げている姿をよく目にします。

特殊警棒のメリットは、刃物に対抗できる強度を有する点と、使わないときはコンパクトに収納できる点です。刃物が出てきても、一撃目はかわせるだろうという安心感があります。

私は、普段は机の引き出しに入れていますが、ごくまれに「何が起こるかわからない打ち合わせ」というものがあり、そうした際は資料に忍ばせて会議室に持っていきます。

高品質の警棒を製造している会社が2社ありますが、1社は一般向けの販売を行っていないため、残る1社(TMM社)の製品を選ぶと良いと思います。私が持っているのは、TMM社のアルミ合金製の26インチ警棒です。

使う機会がないまま引退したいものです。

(4) 刺股

運任せの要素が強い特殊警棒や木刀と異なり、堅実かつ安全な護身用具であり、人目に付くところに設置しておくと、犯罪の抑止効果も期待できます。壁に立てかけるとすぐに倒れてくるので、設置具が必要です。

2. 自宅のセキュリティーについて

私はこれまで、「普通ではない人」が相手方や依頼者になったことがあり、自宅の住所をできるだけ人に知られないようにしています。

自宅の住所が記載された書類を事務所で破棄する際は、必ずシュレッダーにかけますし、どこに住んでいるか依頼者に聞かれても、漠然とした返事をしたり、2,3駅隣の駅を答えたりします(依頼者との関係が最初は良好でも、後からおかしくなることがあります。)。

しかし、業務の種類によっては住民票上の住所を明記しなければなりませんし、既に私の住所を知っている依頼者も多いため、自宅でも、事務所と同じような防犯用品を常備したり、セキュリティーサービスを利用したりしています。

3. 終わりに

防犯用品や防犯サービスをあれこれと試した経験が、法律相談で役立つことがあります。

最近、近隣問題やハラスメント系の法律相談で、警察に事前相談をするように助言しても、既に警察が頻繁に出動しているケースが散見されます。こうしたトラブルは実効的な解決策が少なく、法律家としての助言にも限界があります。

そうした際に、私がこれまで使ってきた防犯用品や防犯サービスの紹介をすると、結構喜ばれます。

最近は、セコムの駆け付けサービスなど、便利なサービスがたくさんありますので、時間があるときにインターネット等で見ておくと何かの役に立つかもしれません。