【弁護士の服装術 #1】最初に見られるのは靴

この記事は約5分で読めます。

1. そろえておきたいストレートチップ

周囲の弁護士を見ていると、一流のオーダースーツを着ているけれども、靴は安物という方が意外といます。

黒い靴は全て同じに見えるかもしれませんが、革質を見れば1万円以下、5万円以下、10万円以上の靴は大抵見分けが付きます。

まれに街中で、ほれぼれするような革質の靴を見かけますが、そうした靴は、20万円以上する現行品か、良質なボックスカーフが数多く出回っていた20年以上前の靴であることが多いです。

ジョンロブのストレートチップ シティ
(ストレートチップ)

ビジネス用の靴には様々な種類がありますが、知っておくべきはただ一つ、黒のストレートチップです。

最もフォーマルとされているのは内羽式の黒のストレートチップですが、これは必ず必要になります。

正直なところ、慶事の場合は、多少ルールを破っても目くじらを立てられることはありませんが、葬儀の場合はストレートチップの一択です。

一般民事事件は高齢の依頼者も多いですし、余裕をもってそろえておきたいところです。

2. 靴選びについて

靴やファッションにあまり興味がない方は、ジョンロブ、エドワードグリーン、クロケットジョーンズ、チャーチ等の定番ブランドの靴から選んだ方が失敗が少ないと思います。

世の中には、値段が高いけれどもイマイチな靴が数多く出回っていますが、定番ブランドの靴であれば、値段相応のクオリティーが確保されていることが多いです。

靴は足に合うことが一番ですが、足に合うなら、やはりジョンロブをお勧めしたいと思います。

ジョンロブは世界有数の高級靴メーカーで、ジョンロブの靴は「革靴の最高峰」と呼ばれています。ジョンロブを履いておけば、上司から「きちんとした靴を履け」と言われることはありません。

私は、弁護士になった後、靴業界の方と会う機会が多かったこともあり、靴にだけはお金をかけてきました。ジョンロブの定番モデルはほとんど履いていると思うので、お勧めの靴をいくつか紹介したいと思います。

(1) フィリップ2(パンチドキャップトゥ)

ジョンロブのパンチドキャップトゥ フィリップ2
(JohnLobb PHILIPII)

ジョンロブの中でも、一番のお勧めはフィリップ2(パンチドキャップトゥ)です。

フィリップ系の靴は3足履きましたが、ジョンロブのフラッグシップモデルだけあって、非の打ち所がありません。革質もきめ細かで、重厚な革の輝きが何とも言えません。 汎用性が高く、どこにでも履いていけます。靴好きには垂涎の逸品です。

強いて欠点を挙げるとすれば、初代モデルよりも革質が落ちている点です。フィリップは、旧ボノーラ工場製フィリップ(#470)、フィリップ(#8695)、フィリップ2(#7000)と変遷していますが、初代モデルが一番革質が良いです。ただ、良質なボックスカーフの供給量が世界的に減少しているので、こればかりはやむを得ないと思います。

革靴全体のレベルが少し落ちているということなので、現行品の中から選ぶのであれば、やはりジョンロブのフィリップ2が一番お勧めです。

(2) シティ2(ストレートチップ)

ジョンロブのストレートチップ シティ
(JohnLobb CITY)

ストレートチップを購入するのであれば、ジョンロブのシティ2がお勧めです。

最もフォーマルな靴ですので、迷ったときはこれを履きます。

最近は葬儀の際に履くことが多いです。ちなみに、斎場で靴を脱ぐことがありますが、両足の靴紐を一つに束ねて縛るなど特徴を作っておかないと、他の人が間違って履いていってしまいます。

(3) モンクストラップシューズ

モンクストラップシューズは、紐でなくバックルで留めるタイプの靴です。革の面積が広く、革好きの方は見ていてほれぼれすると思います。

ただ、ジョンロブのモンクストラップシューズは、 留め具の下にゴムが入っていないので、 着脱の際に、引きちぎれんばかりの力でベルトを引っ張る必要があります。

急いでいるときはストレスが溜まるので、オシャレは我慢だと割り切れる人向きかもしれません。

留め具の下にゴムが入っているモンクストラップシューズ
(留め具の下にゴムが入っているフェラガモの靴)
留め具の下にゴムが入っていないモンクストラップシューズ
(留め具の下にゴムが入っていないジョンロブの靴)

上記のベルトを回避するため、ローファーを買ったこともありますが、ローファーは脱げやすいのが難点です。実用性の観点からも、内羽根式の紐靴が使いやすいと思います(ローファーは「怠け者」の意味で、ビジネスには向かないとされています。念のため。)。

ジョンロブのトゥの比較
(ジョンロブのトゥのバリエーション)

3. 靴底にラバー(ゴム)を貼るかどうか

靴底にラバーを貼ったジョンロブ フィリップ2
(ラバーを貼った靴)
(ラバーを貼っていない靴)

本格的な革靴の靴底は革でできていますが、靴底にラバー(ゴム)を貼ることができます。

靴好きの人は、「ラバーを貼るべし」という人と、「ラバーを貼るべきではない」という人に二分されます。

私はラバーを貼る派です。

靴屋からは、「高い靴なのにもったいないですよ」「この靴は貼らなくても大丈夫ですよ」と言われますが、それでもラバーを貼るのは、仕事に影響が出るからです。

前提として、弁護士は意外と走ります。

例えば、保全事件の申立ては時間との勝負で、その日のうちに追完資料を集めて回り、時間ギリギリに窓口に滑り込んだりします。

また、「今日はAの件で裁判所に行くから、ついでにBの件の書面を提出してこよう」と考えることがありますが、書面作成に時間がかかったり、裁判が長引いたりして、時間ギリギリに窓口に駆け込むことも珍しくありません。

そうした際に走るわけですが、ラバーを貼っていないと、タイルの上や地下鉄の階段などで転びます。特に、雨で濡れたタイルの上は最悪です。滑って大怪我をしたら依頼者に迷惑がかかるので、私は、靴底にラバーを貼って滑りにくくしています。

事務所外の活動が多い方には、靴底にラバーを貼ることをお勧めしたいと思います。

4. 靴の手入れ

高い靴でも、メンテナンスをせずに放置していると、革がひび割れます。履きジワのひび割れ(クラック)は修復不能ですので、そのうち買い直す必要が出てきます。

靴磨きのクリームは、いろいろと試した結果、サフィールノワールが発売しているクレム1925に落ち着きました。他のクリームに比べて革の質感が引き立ちます。

サフィールノワール クレム1925

靴の手入れは、「やろうやろうと思っているけれど、なかなか時間が取れない」という方が大半だと思います。

私は、時間が取れないときは銀座のユニオンワークスで磨いてもらっています。普段からクレム1925で磨いていることを説明すると、同じクリームで磨いてくれます。非常にクオリティーが高く、価格も良心的なのでお勧めです。

5. 本ページで紹介した商品

参考までにリンクを貼っておきますが、靴は試着してから購入されることを強くお勧めします。

ジョンロブ JOHN LOBB
¥208,000 (2024/11/20 13:55時点 | 楽天市場調べ)
サフィール ノワール
¥2,970 (2024/11/20 13:55時点 | 楽天市場調べ)
タイトルとURLをコピーしました