1. 弁護士と腕時計
ソーラー電波時計やスマートウォッチが普及する中、使わないと針が止まってしまう機械時計が格上とされているのは不思議なことです。
しかし、役職や立場にふさわしい時計をすべきとする風潮が生き続けていることや、弁護士が高齢で保守的な依頼者を相手にする機会が多いことを考えると、ある程度の時計はしておいた方が良いと思います。
私は、時計にお金をかける意味は、依頼者に安心感を与えることにあると思っているので、あまりマイナーな時計よりも、知名度があるものの方が良いと考えています。
私の印象では、弁護士が付けている時計で一番多いのがロレックスで、その次がオメガです。グランドセーコーもよく見かけます。
もっとも、若手の方や時計好きの方にとって、時計はファッションの一部であり、自分の気持ちを奮い立たせるための重要なアイテムだと思いますので、最後は自分の好みで選ぶことになります。
2. 買い直さずに済む時計選びのコツ
スーツや靴と異なり、時計は一度買ったら一生使えそうに思えますが、私はこれまでに2、3回買い直しています。買い直さずに済む時計を選ぶためには、以下の点に気を付けると良いです。
(1) シンプルで時間が見やすい
クロノグラフ(文字盤の上に、小さな文字盤がたくさん載っているタイプの時計)は素晴らしいデザインが多いですが、正直、時間が見にくいです。
弁護士は、打ち合わせの最中に、依頼者にわからないように腕時計をチラ見することがありますし、尋問の際も結構時間を気にします。何度も見直さずに、一目で時間がわかるというのは大切なことです。
視認性が高い、シンプルな三針タイプがお勧めです。
(2) 日付表示が付いていること
弁護士業務では日付を確認する機会が非常に多いので、日付表示が付いている腕時計が実用的です。
(3) 大きすぎる時計は避けること
弁護士は、一日数時間から十数時間パソコンに向かって仕事をしていますが、大きすぎる時計はキーボードと干渉します。キーボードを打つ度に腕時計を外すのは面倒です。
また、一部のメーカーの主力モデルは、ケース径が40ミリと大型で重量もあります。若いうちは気にならないと思いますが、次第に重く感じてきます。長く使うことを考えると、ケース径33ミリから37ミリ程度の中型の時計が良いかもしれません。