1. 高スペックのパソコンの利用を推奨
Wordで書面を作成する、ブラウザで調べ物をするといった基本的な弁護士業務は、10年前のパソコンでも行えますが、以下の3点の理由から、高スペックのパソコンの導入をお勧めします。
(1) 理由1 弁護士はスピーディーな対応を求められる場面が多い
知り合いの弁護士のパソコンは、起動ボタンを押してから使用できるようになるまでに10秒以上かかり、フォルダをクリックしても、中身が表示されるまでに4,5秒かかります。正直これでは仕事ができないと思います。
例えば、依頼者から電話があり、「1年前にご相談した件ですが」と言われたときに、依頼者は、当然弁護士が記憶していると思っていますが、弁護士は日々大量の案件を処理しているので、「何だっけ、ポカーン。」ということがあります。そうした際は、瞬時にファイルを引っ張り出して記憶喚起し、あたかも覚えていたかのように、「前回は相手方と金額の折り合いがつきませんでしたね。何か状況の変化はありましたか。」と続けます。
また、裁判所書記官から電話があり、「〇〇の書面をお手元にご準備頂けますか」と言われることがよくありますが、書記官も仕事に追われているので、待たせずに対応する必要があります(以前は紙媒体の記録冊子を取りに行っていましたが、電子化している場合はパソコンのデータを開いた方が早いです。)。
パソコンの動作が遅いと、自分が損をするばかりか、周囲にも迷惑をかけます。
(2) 理由2 一度に大量のファイルを開く機会が増える
裁判手続のIT化により、PDFファイルで書面を授受するようになります。私は既に裁判記録をPDF化していますが、前回の書面、前々回の書面、書証と開いていると、すぐにデスクトップがPDFファイルで埋め尽くされます。
また、以前はクライアントから紙媒体の資料を預かる機会が多かったのですが、最近は、PDFやExcelファイルで受け取る機会が増えました。受け取った資料のチェックをする際に、一度に2、30のファイルを開くことも珍しくありません。
パソコンのスペックが低いと、読み込みに時間がかかりますので、ある程度のメモリを積んでおく必要があります。
(3) 理由3 未知の業務への対応
弁護士をやっていると、本当にいろいろな種類の案件が来ます。大は小を兼ねますので、スペックが高いパソコンを使用している方が様々な場面に対応できます。
私は普段、動画編集のような重い作業は行いませんが、高性能のCPUを使っているので、動画を証拠提出するような場面でも問題なく対応できますし、念のため、高性能な動画編集ソフトもインストールしています(PowerDirector 19 Ultimate Suite)。
また、Thunderbolt4等、パソコンのインターフェースが目まぐるしく移り変わっていますが、古いパソコンではUSB Type-Cのネイティブ接続ができず、最新のストレージを接続するときに困ります。
(4) 小括
以上のとおり、高性能のパソコンを導入した方が業務効率が上がり、ひいてはクライアントの利益につながります。
2. 私のパソコン環境
私は、以前はリースのパソコンを利用していましたが、別の記事でご紹介したとおり、リースのパソコンは返却時のデータ抹消が大変なので、個人所有のパソコンに切り替えました。
参考記事:データ抹消ソフト|知らなかったでは済まされない怖い話
自分で作ったパソコンなので比較が難しいですが、市価15~20万円のパソコンと同等のスペックです。
パソコンは、机の下に置いた方が、机の上を広々と使えますが、電源を入れる度にかがむことになるので、電源ケーブルの延長コードを使い、机の上に電源スイッチを置いています。接続の際に専門的な知識が必要になりますが、一度取り付けると非常に快適です(1000円台)。
また、USB Type-A、USB Type-Cの延長ケーブルがあると、机の上でUSB機器の接続ができるのでお勧めです。