弁護士必携|鞄の中の七つ道具

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弁護士が鞄の中に入れておくと便利な物を紹介します。

1. 収入印紙・郵券

裁判所では、追加の印紙や郵券を求められる機会がよくありますが、その度に郵便局に行って行列に並んでいたのでは仕事になりません。普段から印紙と郵券を鞄の中に入れておき、すぐに使える状態にしておくことをお勧めします。

調停成立後、書記官から「調書はどうされますか」と聞かれた際に、慣れた弁護士は、その場で交付申請書に記入し、鞄から出した印紙を貼って提出しますが、印紙を持っていない弁護士は、「後日郵送」ということになります。よく見かける場面ですが、調書を取得した先後が、不動産移転登記と仮差押登記の先後に影響するなど、重大な結果につながるケースもあります。

ほかにも、遺言書検認の後、検認調書申請の印紙を買いに走る弁護士をよく見かけますが、依頼者からも頼りなく映ります。

こうした事態は、収入印紙と郵券を持ち歩くことで容易に回避できます。

私は、50円、100円、300円、600円、1000円の印紙を常備し、郵券は6000円の郵券セットを持ち歩いています。

ちなみに、東京高等裁判所の郵便局は混雑しており、よく行列ができていますが、少額の印紙や郵券であれば、向かいのローソンでも買えます(私は、コンビニで一万円札を崩したいときも切手を買います。)

2. 職印

裁判所では頻繁に押印を求められますので、職印は常に鞄の中に入れています。

私は、通常業務用、印鑑登録用、通帳用の3種類の職印を使い分けており、鞄に入れているのは通常業務用の職印です。全ての印鑑を1本に集約すると便利ですが、セキュリティー上のリスクが高まりますし、弁護士会も非推奨です。

使用頻度が高いのは通常業務用の職印で、私は、全く同じ印影の物を3本作り、1本は自分の机に置き、1本は鞄の中に入れ、1本は事務局に預けています。ポイントは、機械彫りで全く同じ印影の職印を作ることであり、印影が異なっていると、準備書面ごとに印鑑が違ったり、訂正印が署名欄の印影と異なるなど不都合が生じます。

職印の材質は好みで選んで問題ありませんが、アタリ(印鑑の上方向を示す突起)が付いていないと事務局の不評を買います。

職印のアタリ(印鑑の上方向を示す突起)
(手前に見える黒ポチが「アタリ」)

刻印の内容、書体やサイズは事務所のルールに従います。一般的には、「弁護士+フルネーム+之印」を直径18ミリの印鑑に篆書体又は古印体で彫ることが多いように思います。

3. 携帯用朱肉

私は、出先で朱肉がない場合に備えて、使い捨ての携帯用朱肉を持ち歩いています。小型・軽量なので携帯性は抜群です。

ライオン事務器 携帯用朱肉

参考リンク:ライオン事務器 スポンジ朱肉 スタンプエイド 直径18mm CS-122(外部リンク)

4. 弁護士バッジ

弁護士バッジは、裁判所に行く際は必ず持っていきます。

実務に就くと、思いのほか相手方代理人のバッジを見るものです。

勝訴を確信できる案件というのは意外と少なく、多くの案件では、相手方に気付かれたくない論点や事実関係が存在します。そのため、訴訟の早い段階で相手方代理人の力量を見極め、訴訟の流れを予測する必要があります。

相手方代理人がどの程度の力量を有しているかは、あらゆる事情の総合判断であり、所属事務所、経歴や修習期等から推測するほかありません。

ここで、修習期は弁護士としての経験年数を表し、 バッジの色は裁判所に通った頻度を表します。

修習期の割に バッジの色が濃い人は、何かある人です。特に家事系の事件において、優秀だけれども裁判経験が少ない人は、普通は問題にしない部分を掘り下げたり、とんちんかんな発言をしたりすることがあるので、裁判官を味方に付けて誘導するなどの工夫が必要になります。

たかがバッジの色ですが、敵を知る一つの材料になります。

5. iPhone、Android対応USBメモリ

私の鞄の中には、常に大容量のUSBメモリが入っています。出先では、データをもらえるチャンスが1回しかないことがありますが、そうした際にUSBメモリがないと、重要なデータを入手し損ねるからです。

以前、相続事案で、亡くなられた方の自宅を開錠して室内を確認したところ、パソコンの電源が入ったままの状態で放置されていました。一度パソコンの電源が落ちると、パスワードがかかるなど面倒な事態になるため、すぐにデータをUSBメモリに保全したところ、その中から財産管理をしていたファイルが見つかり、口座の特定につながりました。

最近は、パソコンだけでなく、スマートフォン内部のデータを回収することもあるので、iPhone、Androidに直接接続できるタイプのUSBメモリを使用しています。

参考リンク:4in1 USBメモリ(外部リンク)

6. 予備ボールペン

私は、ボールペンが常に鞄の中にあるように心がけていますが、何かのタイミングで、全てのボールペンが出払っている場合があります。

いざという時に筆記用具がないと、本当に困ります。

特に、弁論準備室に入った後に、筆記用具がないことに気が付くと悲劇です。敵方の代理人に借りを作ることは御法度ですし、裁判官に借りると「この人大丈夫かな」と思われるのが関の山です。

私は、そうした場合に備え、ミニモという小型のボールペンを名刺入れの中に入れ、いざという時に使えるようにしています。ミニモは、名刺入れや財布に入る超小型ボールペンで、書き心地も悪くありません。非常用のペンとしてお勧めです。

エルメスの名刺入れとミニモNBP-505MN-BK
(名刺入れの中央部に写っているのがミニモ。カード型の収納ケースも付属している。)
エルメスの名刺入れとミニモNBP-505MN-BK

7. 予備の名刺

弁護士は、第一回期日が終わった後、法廷外で相手方の弁護士と名刺交換をします。この初回の場で、「申し訳ございません。あいにく名刺を切らしておりまして。」という状況は避けたいものです。

私は、上記のボールペンを借りる例もそうですが、相手方代理人に無駄な借りを作りたくありませんし、無駄なことで謝りたくもありません。和解期日に遅刻してきて、「すみません、すみません」と言いながら弁準室に入ってくる弁護士がいますが、申し訳ない気持ちを抱いた時点で、良い交渉はできないと思います。

本題に戻りますが、名刺切れは、鞄の中に予備の名刺を入れておくことで簡単に予防できます。私は、鞄に予備の名刺を5枚ほど入れていますが、予備の名刺を、カートリッジエアという紙の封筒に入れています。この商品は、封筒自体を名刺入れとして使える優れもので、名刺入れごと忘れた際にも活躍します。

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8. 本ページで紹介した商品

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